年功序列の何がいけなかったのか? 不満による生産性の低下

年功序列は能力主義だという事実という記事で、年功序列制度について色々触れました。

実際に年功序列は破たんしています。

かといって、欧米の制度をそのまま適用しても、日本では上手く機能していません。

今後の賃金制度はどうあるべきかを考える上でも、一体年功序列は何がいけなかったのかをもう一度考え直すべきではないかと思います。

今回は不満による生産性の低下を取り上げてみます。

年功序列に対する不満による生産性の低下

年功序列の欠点としてよく挙げられるものに、不満による生産性の低下があります。

「なんであんなやつが年齢が上だというだけで自分より多く給料もらっているんだ?」

という不満です。

仕事ができない人、仕事をしない人が、年齢だけで自分より沢山の給料をもらうというのは、納得できません。

これを解決する方法はひとつです。

「納得できる賃金制度にすること」

でも、これが大変なのです。

最低限必要なのは、透明性と公平性です。

給与制度の透明性

透明性は、なぜその人がそれだけの給料をもらっているのかわかることです。

年功序列は少なくとも透明性はあります。

「なんであんなやつが自分より多く給料もらっているんだ?」

という問いに

「年齢が上だから」

という答えがあります。

自分も年齢が上がれば給料が増えることもわかっています。

「なんであんなやつが自分より多く給料もらっているんだ?」

「さあ?」

「俺はどうすれば給料があがるんだ?」

「さあ?」

これが最悪です。

不満の大きさは年功序列どころではないでしょう。

給与制度の公平性

もうひとつが公平性です。

「きちんと公平に評価されていること」

これが大事です。

「評価する上司に気に入られていると給料が上がる」なんてことがあってはいけません。

年功序列の時代にはこのようなことがありました。

でも所詮年功序列です。

1年かそこら昇級が早くなる程度です。

年功序列でなくなれば、公平性は更に重要になります。

大きな差がつくからです。

公平性がなければ、不満が大きくなることは間違いないでしょう。

生産性の低下を防ぐためには

生産性の低下を防ぐために、企業はできるだけ透明で公平な評価をする必要があります。

でも不満を無くすことはできません。

全員が完全に納得できる評価などあり得ないからです。

最悪なのは「どうぜ全員が納得することは無理なんだから適当に評価しよう」という考えが透けて見えることです。

評価するにはコストがかかります。

そのコストを抑えるために適当なことをしてしまうと、士気が下がり生産性が低下します。

実際に「年功序列ではない能力主義」を標ぼうして、このような失敗をして生産性を低下させてしまった企業が沢山います。

全員が完全に納得することはできなくても、企業がそれに向けて最大限の努力をしている姿を見せなければ生産性を上げることはできません。

生産性の低下を防ぐためには人事評価に多大なコストがかかるのです。

コスト削減を目的とした年功序列制度の廃止がことごとく失敗に終わったのは歴史が証明してくれています。