*2018年4月21日オランダ賭博当局の報告を受けて、修正、追記
ソーシャルゲームで一般的なガチャシステム。
特に日本では、ゲーム会社の収益の柱となっています。
2012年に消費者庁がコンプリートガチャを景品表示法違反と判断して以来、ゲーム会社も自主規制などを行っていましたが、そろそろ本格的なメスが入りそうな雰囲気になってきました。

発端は海外です。
ルートボックス問題
ルートボックスとは、日本で言うガチャシステムのことです。
「スターウォーズバトルフロント2(SWBF2)」のルートボックスが賭博に当たるかどうか、アメリカで激しい議論になったことが発端です。
他の国でも問題になり、それを受けてAppleが「App Store」のゲームに対して、ガチャでのアイテム入手確率を明示しないといけないとしたのです。
日本での入手確率明記はどうか
日本では、ガチャでのアイテム入手確率を示すようゲーム会社が自主規制していました(完全に守られている訳ではありませんが)。
しかし、その確率が本当なのか?という議論がたびたび世間を賑わせています。
ゲーム会社がソースコードを公開しない限り、本当なのかどうか確かめるすべはありません。
また、誤認させるような表記も多いことも事実です。
中国のアワ・パーム・カンパニー・リミテッド社のソーシャルゲームTHE KING OF FIGHTERS’ 98UM OLで、ガチャの出現確率を誤認させる表示をしていたとして、消費者庁が景表法違反で行政指導を行ったことも記憶に新しいでしょう。
明らかに虚偽の確率を記載した場合、明らかに誤認させるような記載を行った場合、今後も景品表法違反で行政指導が行われることでしょう。
ガチャの確率明記問題は、それだけでいいのか?
問題は「そんなことでいいの?」ということです。
確率を明記するのは、しないよりもましです。
しかし、嘘の確率を表記するのであれば、最初から確率を書かない方がまだましです。
確率を操作していたとしても、それを立証するのは困難です。
ですから、確率表記が義務化されても、確率表記がない方がましな嘘表記を行う会社がでてくるでしょう。
もしばれても、行政指導を受けるだけだとすればなおさらです。
「ガチャでのアイテム入手確率を明示しなければいけない」と完全に義務化されても、何も問題は解決しないのです。
少なくとも、虚偽の記載を行った場合には厳格な処罰(詐欺ですから)をすることを示す必要があるはずです。
オランダの判断
ゲーム内でルートボックスを販売している販売元に対し、オランダの賭博当局是正命令を出してたそうです。

ルートボックス(ガチャシステム)の今後を考える上で重要な分岐点になりそうな判断です。
ルートボックスが賭博に当たるかどうかは「偶然性」と「財産上の利益の得喪」の両方を考慮して判断されます。
「偶然性によって財産的に得したり損したりするものを賭博という」
このうちルートボックスが「偶然性」を満たしていることは意見が一致しています。
問題は「財産の得喪」です。
ガチャによって得られたアイテムが換金できれば「財産の得喪」とみなされることも意見は一致しています。
「ゲームの運営元が換金を禁止している場合はどう判断するのか」
焦点はここです。
そしてオランダの賭博当局は「提供元が禁止していても、換金の手段があれば賭博とみなす」と判断したのです。
今後、他の国にも広がっていきそうです。

